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ゴルフにおけるイノベーション ( 刷新、一新 )

ゴルフ協会役員 杉山通敬氏のゴルフに関して、"人を育てる"という題名でのコメント文が目に留まりましたので紹介します。

18世紀のスコットランドのゴルフクラブでは「ジェントルマンだからゴルフをやるのではない。ゴルフをやっているうちにジェントルマンになるのだ」というのが、会員同志のコンセンサスだったという。

初めからジェントルマンではないのだ。ジェントルマンの所作振る舞いを見習っているうちにジェントルマンになっていく。ゴルフではさまざまなことが、良くも悪くも表れてくる。初めは自分の悪い事は気づかなくとも、良質なゴルファーに接しているうちに気づく。

技術的なことを含めたケースバイケースの判断力、責任の取り方、コースや人に対する配慮。自然に対する畏敬と共存、寛容。さらにはコースやクラブハウス内での立振舞い。ゴルファーにふさわしい身だしなみ。

そうしたさまざまなことを次代のゴルファーにバトンタッチしていくところに、ゴルフというスポーツの美徳である、とスコットランドに1744年に誕生した「オノラブルカンパニー・オブ・エジンバラ・ゴルファーズ」の会員は認識したのである。辞書を引くとイノベーションには刷新とか一新という意味があるが、技術革新する前に人間そのものが刷新されていかないと一人前のゴルファーになれない、と彼らは考えていたのである。

その意味で「人を育てる」ことこそが、イノベーションなのかもしれない。新しいゴルファーが誕生しやすい環境になってきたのだから、ゴルフで人を育てる手だてを講じていけば、かつてのゴルフブーム(インフレゴルフ)とはひと味もふた味も変わった、健全なゴルフ界がやってくるものと思います。