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2008年規則主要変更点について NO.1

10月31日 R&A は、08年ゴルフルール改訂のゴルフ規則書を発表しました。どのように改訂になったのか。
今月と来月の2ヶ月にわたり、JGA の手引書を載せたいと思います。

1. 適用できる規則に基ずいて別の球をインプレーにした場合に初めての球は紛失球となることが明確に規定されました
(定義「紛失球」)
旧規則の定義「紛失球」では適用できる規則に基づいて別の球をドロップしてストロークしたときに初めの球は紛失球となると規定していましたが、裁定では適用できる規則に基づいて別の球がインプレーにされた場合は、その別の球をストロークしていなくても、初めの球はアウトオブプレーとして扱い、初めの球球をプレーすると誤球のプレーということになっていました。しかし、アウトオブプレーという考え方はわかりにくいことから、2008 年規則では、適用できる規則に基づいて球をインプレーにした時点で初めの球が紛失球となることを明確にしました。
【事例】
初めの球を1,2 分探したけれど見つからないので、最後にプレーした所に戻って球をドロップしました。その後、初めの球が5 分以内に見つかりました。この場合、プレーヤーが最後にプレーした所に戻ってドロップしたことは適用できる規則(規則27-1)に基づいてドロップしたことになるので、その球がインプレーの球となり初めの球は紛失球となります。
2. 不適合クラブを持ち運んだ場合罰が軽減されました(規則4)
旧規則では、正規のラウンドで不適合クラブを持ち運んだだけで競技失格となりましたが、2008 年規則では、持ち運んでもまだその不適合クラブを使用していなかった場合には競技失格ではなく、ストロークプレーでは違反のあった各ホールにつき2 打の罰(1ラウンドにつき最高4 打の罰)に改訂されました。ただし、違反を発見次第、不使用宣言をしなければ競技失格となります。
【事例】
1番ホールのティーショットをドライバーで打ち、第2 打地点に向かっている途中、規則に不適合なパターがバッグに入っていることに気付いたので、マーカーにそのクラブは使用しないことを宣言した。
この場合、ストロークプレーでは1 番ホールに2 打の罰が課せられ、以後その正規のラウンドで不使用宣言したクラブを使用しなければ競技失格を免れることになりました。 ( 1番ホールなので2打罰 )
3. バザード内での誤球のプレーに対して罰が課せられます(規則12-2、15-3)
旧規則では、ハザード内で自分の球かどうかを確認するために球を拾い上げることが認められていなかったので、ハザード内で誤球のプレーをしても罰はありませんでした。2008年規則ではハザード内の球を確認のために拾い上げることを認めるかわりに、ハザード内で誤球をプレーした場合には、スルーザグリーンで誤球をプレーした場合と同様に罰が課せられるように改訂されました。ただし、ウォーターハザード内の水の中で動いている球については確認のために拾い上げることができないので、その球をストロークした結果、誤球であったとしても罰はないとの例外規定も新設されました。
【事例】
プレーヤーA がバンカー内の球をストロークしたところ、その球はプレーヤーB の球でした。
この場合、マッチプレーではA の負け、ストロークプレーではA は2 打の罰を加え、自分の球を見つけてプレーしなければなりません。 ( いままでは罰なし )
4. バンガー内でのつぎのストロークに対してライの改善等の違反になることがなければ砂をならすことができるよう改訂されました(規則13-4 例外2)
旧規則ではバンカー内でストロークしたあとに、球がそのバンカー内にまだある場合、砂をならしてから次のストロークをした結果、球がそのならしたところに戻ってきた場合にはバンカー内での引き続いてのプレ
ーの援助となったとして罰が課せられました。2008年規則ではバンカー内でストロークした後に球がそのバンカー内に止まった場合、その止まっている球に対してライの改善、意図するスイング区域、スタンス、プレーの線の改善とならなければ砂をならすことができ、次のストロークをした後に球がそのならした場所に戻ってきても罰は課せられないことになりました。
【事例】
バンカー内のA 点からプレーしましたが、球はそのバンカーから出ずにB 点にとまりました。プレーヤーはA点の砂をならしましたがB点の球をプレーするときのライやスタンス、意図するスイング、プレーの線を改善するようなことはありませんでした。その後プレーヤーはB 点からプレーしましたが、またバンカーから球を出すことができず、球はA 点をならしたところに戻ってきてしましました。この場合、罰はありません。 ( いままではライの改善として2打罰がついた )
5. 医療用具の使用を認めるための用件が規定されました (規則14-3 例外1)
病状を緩和することができるデザイン・効果を持ち、医学的根拠があって、不当な利益を得ることはないと
委員会が認める用具や機器を使用することができることが規定されました。ただし、委員会が認めることが
要件となっていますので、プレーヤーは出場する競技の委員会から事前にその使用について了承を得るこ
とが必要です。
6. プレーヤーの球が自分のキャディーや携帯品に当たった場合の罰が1打となりました (規則19-2)
旧規則では、プレーヤーの打った球が自分のキャディーや携帯品(クラブやバッグなど)に当たった場合、マッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2 打の罰でしたが、2008 年規則ではマッチプレー、ストロークプレーいずれの場合も1 打の罰に軽減されました。
【事例】
ストロークした球が前方に置いてあった自分のバッグに当たってしまいました。
この場合、プレーヤーは1 打の罰を加え、球は止まったところからプレーしなければなりません。
7. 規則で許されている人がリプレースした場合の罰が1打となりました(規則20-3)
規則では球をリプレースできる人を次のように限定しています。
@プレーヤー(またはそのパートナー)
Aその球を拾い上げたり動かした人
上記以外の人がリプレースして訂正せずにストロークを行った場合、旧規則では2 打の罰を受けましたが、2008 年規則では1 打の罰に軽減されました(規則で許されている人以外の人がプレースした場合の違反も1 打の罰に軽減されました)。
【事例】
グリーン上で、プレーヤーが拾い上げた球をキャディーがリプレースし、その球をストロークしてしまいました。
この場合、プレーヤーは1 打の罰を加え、その球でホールアウトしなければなりません。