2007.5月の豆知識 

慣性モーメント  moment of inertia

先月号でゴルフクラブについてのバランスはある程度の基準(一応の目安)であって、参考的要素であると考えを記しましたが、それでは何をもって参考にしたらよいかとなると慣性モーメントという言葉に突き当たります。

慣性モーメント( M . I ) とは、「静した物を回転させる力 または 回転している物をとめる力」 を表し、これが大きいほど回転させたり上めたりするのに大きな力が必要となります。ゴルフクラブの場合

@ ゴルフヘッド自体の M . I

クラブヘッドの場合、芯をはずしてショットした時、慣性モーメントが大きいほど回転しにくくなり、目標方向からのズレが少なくなります。今やパターもアイアンもウッドもほとんどのクラブが慣性モーメントを大きくして、ワイドエリアにするアイデアを取り入れている一部のウェッジ類やショートアイアンはボールコントロールを重要視しているものもあります。

A シャフトを中心としたヘッドの M . I

M . I が大きな力が必要となる、つまりシャフトを中心としてヘッドが返りやすいかどうかであり、M . I が大きくなると返りにくくなりこれはヘッドの重心距離に関係してきます。ヘッドが大型化すればヘッドが返りにくくなり、逆に小さければ返りやすいと言えるでしょう。大型化にしながら重心距離を短めにする工夫が必要になっています。

B グリップの端を軸にした M . I

グリップエンドからの M . I はコック・アンドコック時の必要な力に関係し、当然グリップエンドからヘッドの先までの動的 M . I 、スィング軸回りの M . I でスィングしやすいかいないかにかかってきます。

M . I は基本的に動的に計測するものです。少なくとも動的なクラブ全体の回転させやすさを計るには、M .I の測定がふさわしい気がしますが、ゴルフヘッド自体の M . I は計測器があちこちで作られはじめていますが、色々な方法がありメカニズムも色々と聞いております。統一された測定法が見つかる事を願う次第です