2007.4月の豆知識 

バランス理論゜とそれに対する疑問点

 ライター川田泰三氏のゴルフクラブバランスについての記事が私の目にとまりましたので、それを参考に今月はバランスについて書いていきたいと思います。

 ゴルファーの方はクラブバランスについて、D1、D2、D3・・・・・とよく口にし、非常に親しまれている用語です。それはバランス計という計測器が普及し、簡単に計測できるからです。

 私は『バランス』について現在微妙なスタンスをとっています。それはバランス計には若干の「不備」があり、あまり真剣に追求されると困ってしまう立場にいるからです。ちょっと不安定なスタンスで『バランス』を考えているからです。

 バランスはクラブの重さを測る基準というよりも、ヘッドの利き具合を表す用語です。ヘッド側が重いか、手元が重いかを測るのがバランスです。全体重量が同じでもヘッド側が重いクラブと手元が重いクラブでは、振り心地が違います。その重量配分を調べて振った時に感じるヘッドの重さを示すのがバランスの数字です。

 がそれを測るバランス計はなぜか14インチを視点にしています。この意味がよくわかりません。さらに「振った時の重さ」を表すにしては、静的に測っているので、動的な重さが正確に測れるかが、疑問が残ります。ですから「バランスは一応の目安」「便宣的な基準」と思って良いでしょう。

 昔のスチール時代と違いシヤフト重量が多様化し、超軽量のカーボンシャフトから重いスチールシャフトまで使われるようになると、基準としての信頼性が危うくなってきました。

 初期のカーボンシャフトの時期にすでに「同じバランスで組み立てるとヘッドが利きすぎて振りにくくなるので、スチールシャフトのクラブより2ポイント程度軽く創った方が良い」といった微調整が行われるようになりました。
  ※ スチール時代 12インチ計使用、 現在は 14バランス計使用

 カーボンシャフトはさらに軽くなりました。また長さも43インチから45インチ以上のものまで幅が広がってきました。これらの仕様が違うクラブを同じバランスに合わせても決して同じ感じになりません。

 同じ素材、重量、長さのクラブ同士の目安としては使えるが、そうでなければバランスは目安程度に使うのが無難でしょう。

 シャフトの重量、フレックス、調子、そしてクラブ全体の重量を考え、自分自身のヘッドスピードや体力、年齢、スィングの型を考慮した上で、同じ感覚でより良く振れるクラブバランスを見出し、ゴルフクラブを選ぶことが大切なことと思います。

 そして今は、バランス計も色々なタイプが販売され、それぞれ微妙に違いが生じているのが現状です。当店では、自分の所のバランス計の数値はいくつですと言う様にしております。