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第一次世界大戦がスチールシャフトを広めたい !?


戦争がなければ原子爆弾は生まれなかったに違いません。この巨大な核エネルギーをつくるノウハウはやがて様々な分野の科学ハイテクを生み、宇宙科学の分野では月旅行を近未来のものにしてしまいました。このように戦争がなければ文明も発達しなかったというのは痛烈な逆説だか、事実でもあります。

ゴルフクラブにも同じようなことがいえます。スチールシャフトが初めて現れたのは、1800年代の終わりであったが、その時はいっこうに普及しませんでした。というのもヒッコリーのほうが値段も安いし、なによりも伝統が違うと誰もスチールを手にしようとしませんでした。しかし、第一次世界大戦が勃発するや、鉄工業は飛躍的に発展しました。スチールは言うまでもなく鉄鋼製品です。戦争が終わると鉄鋼業のノウハウはスチールをより高性能にし、大量生産することで値段もぐんと安くなりました。ヒッコリーよりも高性能で、しかも安いとなればスチールに注目が集まるのは当然です。

そしていまやスチールからカーボンシャフトの時代となりましたが、カーボン、チタンなどの新素材は米ソ間の"冷戦"が生んだものといえます。これらはロケットや宇宙船、ジェット機をつくるノウハウから生まれてきたものであります。