ゴルフはボールをホールに何打で入れるか競うケームであるが、そのボールは特定の条件の下のテストに合格したものでなければならない。そのテストは、R&A
(米国) と USGA (英国 ) が協力して行い、5つの基準を設けています。
(a) 最大重量 ( 45.93グラム ) (b) 最小サイズ (42.67ミリ ) (c) 球体としての対称性
(d) 最大初速度 (秒速 76.2メートル=250フィート) (e) 標準総合距離 (256メートル=280ヤード)
今までは、ボールのサイズは1つに統一されているのですが、約30年前はスモールサイズとラージサイジの2つがありました。スモールボールはR&A
が認め、ゴルフ発祥地から世界に広がったイングリッシュサイズ。後者はUSGAが採用し、米国の協議会で使用を義務づけられたため、アメリカンサイズと呼ばれました。
両者は長い併存時代の後、1989年、今後のゴルフ技術の発展を考えて、直径42.67ミリ以上のラージサイズを選択、スモールボールを使用禁止にしました。飛距離をのばすためのボールの条件は、比重を大きく、空気抵抗が小さいことであります。そのため、同じ重量でスモールサイズが良く飛び、向かい風での曲がりも小さいのです。クラブやボールの進歩で、ゴルフが飛距離の時代に入ったことで、より高度なうち方を要求するラージボールが選ばれたわけです。
A・パーマーは、その全盛時代、いつもリングゲージをポケットに忍ばせていて、怪しいなと思われるプロに、ちょっと貸してごらんと言って、そのプロのボールをゲージに通してみたといいます。するする通れば、米国PGAツアーでは違反とされたスモールボールサイズなのでした。
G・ノーマンはあるツアーで、いい位置につけての予選を通過したものの、突然、委員会に自分の競技失格を自分自身で通告しました。ボール自体に使用基準上のルール違反があるわけではなかったのですが、ノーマンが契約するボールメーカーが、事前にUSGAに届け出てなかったため、適格ゴルフボール表に、サイズ、商標、マーキングが記載されていない新製品を使ってしまったのです。それを知ったノーマンは、潔くこのことを認め、委員会に申し出たのでした。